2006年2月19日

トルコは一応外交的には米国の友好国です。米国もトルコのEU加盟を強く後押ししています。しかし、民衆の間ではいかに反米主義が広がりつつあるかを知るには、ドイツの映画館で上映されている「Tal der Woelfe(狼の谷)」を見れば良いと思います。イラク戦争を舞台にしたこの映画では、米軍の兵士はすべてナチス親衛隊と同じようなサディストに描かれており、罪のない市民を殺害し、刑務所に監禁して拷問を加えます。

殺した市民や捕虜からは、臓器を摘出して、米国、英国、イスラエルに送るという内容は、ナチスの強制収容所を思い出させます。徹底的な反米、反イスラエル映画ですが、ドイツでは上映のたびにトルコ人の観客で満員で、米軍が攻撃されると拍手もわくそうです。トルコ人の中には、家族連れで見に来ている人もいるとか。トルコ人の監督は、「反米映画を作って何が悪い」と開き直っています。もっとも米国側にも、「チーム・アメリカ」のような酷い反アラブ人形劇映画もありましたから、おあいこでしょうか。

ドイツにかつてモハメド・アタのような人々が潜伏していたというのも、何となく理解できるような気がします。